むだなものを愛しつづけられる人間でありたい

たとえば誰かに手紙を書くように、何気ない出来事を綴るとしたら。

古いものに宿る"人の想い"を知ることが豊かさだと思う。自分にとって。

何気なくテレビをつけたら、ちょうど、佐原にあるNIPPONIAの特集をしている番組がやっていて。
古いもの、次世代に継ぐ価値のあるもの、それらを宿泊施設やレストランなど、"体験"価値として世の中に提供している。
いいな、と思った。その一員でありたいと思った(思っていた)。

 

NHKオンデマンドでなにかいい番組ないかなあと探していて、ドイツ人建築家カール・ベンクス氏の自宅やその集落についての紹介番組を発見。
カール・ベンクス氏の建築は、以前佐渡にいたときに一度、宿泊施設になっている建物に宿泊したことがあったので、名前は知っていた。けれど詳しくは知らず、日本の古民家を再生、活用している人、程度の認識だったので、実はもうむかしの人物だとすら思っていた。
番組を見ていて、あらためて、日本のむかしからある建築技術の高さにやっぱすごいなあと感動し、職人さんのちょっとした遊び心に、粋だなあかっこいいなあと思いつつ、左甚五郎を思い出したり。

 

古いもの、歴史を感じられるもの、そういうものの中にいる時間が、とても豊かなんだと思う。自分にとって。
きっと、その時間を少しでも増やしたい、増やせたらきっと人生が豊かになる。惹かれる理由は、そういった想いがあるから。
その、建物に対する、人の想い。むかしの人、今の人。心意気だったり、気合いだったり、純粋な想いだったり。技術的なすごさももちろん次世代につなげていきたいと思うけれど、きっとそれ以上に、"人の想い"の部分を伝えたい気持ちの方が大きい、気がする。

 

観光業に、宿泊業に従事したのはたまたまだったけれど、結果として、一番長く続いているし、続けようと思った理由もきっとここにある。
たぶん、宿泊業ではなくてもよかったような気もするけれど、ただ展示されているものにはあまり興味を持てないというか、もったいないなあと思う。むかしの人の想いを、今の人が受け継いで、それが多くの人のために活きている、そういうものが良いなと思う。

 

そういうものを知って、人の想いを聴いて、自分なりの言葉で、文章を紡ぐ。少しずつ、ゆっくりと、丁寧に。
そんな風にして、生きたいのかもしれない。