むだなものを愛しつづけられる人間でありたい

たとえば誰かに手紙を書くように、何気ない出来事を綴るとしたら。

【読書感想文】自分のためであり、社会のためであること

「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に会いそうな本をすすめまくった1年間のこと」著:花田奈々子

を読んでの感想。
この本は4年前くらいに出版された本で、その頃たしかちょっと話題になったような、おもしろそう!と思った記憶はあって。でもそのときは買わず。
この前ブックオフに行ったときに見つけて、購入。
あっという間に、読みました。

内容は、まさにタイトルの通り。
著者は、ずっと同じ職場で働いていて、趣味は読書と本屋めぐりくらい、夫以外の人とはほとんど交流がない、という、"狭い世界"でしか生きてこなかった人。
が、出会い系に登録し、少しずつ、元気を取り戻す話。
ここでいう「出会い系」は、男女の出会いに特化したそれではなく、もっと幅の広い、「知らない人と30分だけお話しましょう」というもの。

 

私がもし同じ状況になったとしたら、どんなプロフィールを書けるだろうか。どんな相手にあって、どんな話をしたいだろうか。
恋愛のこと。音楽のこと。本のこと。
でも、どれもただの雑談で終わりそう。すごい詳しいってほどでもないし。話が合って盛り上がる相手にめぐり会えたなら、もっと話したい、次も会いたい、と思うかもしれない。でも、きっとまったく興味ない話をされた瞬間に、なんて不毛な、と思ってしまうような気もする。だから、30分か。合わない、と思ったら30分で即終了。たしかに、ちょうどいい時間かもしれない。長すぎず、短すぎず。
そう思ったら、結局のところは、自分にとって有益かどうか、得るものがあるかどうか。
それは相手にとってもきっと同じ。

自分の"武器"は、"ウリ"は何なのか。
世の中に提供できる"価値"は何なのか。
誰かの役に立てる、求められることは。
著者にとってそれは、「本を紹介する」ということだった。「本を紹介する」という"武器"を、この旅を通して磨きあげ、それによって自分を救うことができた、ということ。

 

自分にとってのそれがなにかひとつでもあれば、どんな状況でも、生きていける。そう、背中を押してくれる1冊。のような気がした。

 

私にとってのそれは何だろう。

「本を紹介する」ことが、著者の好きなこと。
紹介しても、相手が読むかはわからない。相手にとって必要かどうかも、わからない。
だけど、著者が、限られた時間の中で相手のことを知り、自身の精一杯を出し切って、1冊を選ぶ。
本に対する豊富な知識量。
「本を紹介する」ことで社会と繋がり、必要とされ、自分を癒していく。
自分のためであり、誰かのためでもある。
自分の好きなことが、社会のためになる。

 

自分の好きなこと。
人と話すこと。相手の話を聞くこと。想いを知ること。未来にわくわくすること。建設的な話。ポテンシャル、可能性。その人が持つもの、繋がりが生むもの。
それおもしろいね!という、未来。

考え続けよう。

 

"そのとき何を選択していても、いつかは同じところに辿りつくのかもしれないとも思う"

という文章がなんとなく印象に残った。

考え続けよう。