むだなものを愛しつづけられる人間でありたい

たとえば誰かに手紙を書くように、何気ない出来事を綴るとしたら。

【42】中禅寺

中禅寺湖のほとりに、中禅寺、というお寺があります。
日光山中禅寺。
日光山輪王寺の別院です。
坂東三十三観音の第十八番札所でもあります。

建立は、784年。奈良時代末期。
男体山の登頂を達成し、日光山を開山した勝道上人(しょうどうしょうにん)によって建てられました。

御本尊は「十一面千手観世音菩薩」(国重要文化財)です。
勝道上人が男体山に登頂したとき、中禅寺湖の上に千手観世音菩薩の姿を見て、それを桂の立木に彫ったと伝わる観音様で、全長約6mの迫力のあるお姿です。

当初は、現在二荒山神社中宮祠がある場所に建立されておりましたが、明治の頃の災害で本堂が土石流に飲み込まれてしまったそうです。
御本尊も一時は行方不明となりましたが、数日後に中禅寺湖に浮かんでいるのを発見し、現在の中禅寺がある歌ヶ浜に建立されたそうです。

仁王門をくぐった瞬間の、空気がすーっと引き締まるような感じ。そういえば神社仏閣を参拝するの久しぶりだったかもしれない、とちょっぴり申し訳なく思いつつ。
立派な桂の木や、延命の水、鐘楼など、一歩入ったところから見どころがたくさん。
本堂の前には、愛染明王秘仏の波之利大黒天(はしりだいこくてん)も鎮座しておられます。

いざ、本堂へ。

正直、あまり期待していなく、予備知識もほぼゼロでの参拝でした。
期待値が低いほど、という話はありますが、今でも思い出すとあのときの興奮といいますか驚きといいますか、おおおお、という感覚がすぐ思い出せるくらい、感動しました。
二階には、五大明王が安置されているお堂があり、お姿はよく見えませんでしたが、天井には鳴龍が描かれていて、そこの空間も、さらにそこから見える景色も、素晴らしい、の一言でしか表現できないような、体の中からすーっと軽くなるような、そんな感覚になりました。

いいですね、神社仏閣は。好きです。