むだなものを愛しつづけられる人間でありたい

たとえば誰かに手紙を書くように、何気ない出来事を綴るとしたら。

【8】歌舞伎は、歌舞伎を愛するお客さんがいてはじめて成り立つものなのだなあと思った話

観に行ってきました。
新作歌舞伎「NARUTO-ナルト-
公式HPはこちら:新作歌舞伎 NARUTO -ナルト-

 

まずは、感想。

 

NARUTOは、アニメをちょっと見た記憶がある、程度の距離感で、ビジュアルを見たら、ああこんなキャラいた!と思い出す程度の距離感でした。

 

NARUTOのストーリー、世界観、すごくよくわかった

めっちゃいい話ですやん(謎の関西弁)。
イヤホンガイドさまさまでしたほんと。
キャイ〜ン天野さんの解説のおかげで。無かったらたぶん8割ぽかーんだった気がします。
場面が切り替わるときは必ずと言っていいほど天野さんの解説があり、前の場面と次の場面の間は原作ではこうですよとか、次の場面の背景説明があり、それがあったので次の場面に違和感なく入り込めました。
が、イヤホンガイドを持っていない方もいらっしゃったようで、あの方たちの理解度が気になるところではあります。
いっそのこと、席に1つイヤホンガイドを置いてしまえばいいのに、と思いました。

もちろん演者さんたちの説明セリフはたくさんありましたし、逆に説明セリフが多すぎてちょっと退屈だった幕もありましたけど、それでもそれだけでは不十分だったように思います。
なにしろ、コミック全72巻の原作を、4時間くらいの演目にぎゅぎゅっとまとめることって、それはそれは大変なことだと思うんです。
それでも、初心者を置いていくこともなく、原作者ファンをガッカリさせることもなく、見事にまとめ上げ、収めた凄さは、やっぱりスゴイものを観させて頂きましたありがとうございました!と声を大にして言いたいです。


猿之助さんの存在感

舞台に1人しかいないのに、どの場面よりも迫力がありました。恐るべし。


・サスケのお兄さん、うちはイタチ役の市瀬秀和さんの立ち廻りの美しさ

市瀬さんのことまったく知らなかったですしあまり注目して見てもいなかったのですが、それでも、サスケとの殺陣は特に美しすぎて魅了されました。兄が最強である所以が、殺陣からひしひしと伝わってきました。


・巳之助さんやっぱすごい

主人公のうずまきナルトと、ナルトの父親の波風ミナトの2役で、ナルトのイメージがだいぶ定着した後半でのミナトの出番だったにも関わらず、ちゃんとこの人はナルトではない、って誰もがわかる演じ分け方でした。
声の質、表情、仕草、動き、すべてを演じ分けていて、やっぱりすごいなあ巳之助さん!


・ラストの詰め込み感

本水の場面はちょっとやりすぎ感あったし、イヤホンガイドの解説であれいまの説明で終わったよね、え、いいの?って思ったけど、まあ涼しかったからいいか


そして、本ブログのタイトル​
”歌舞伎は、歌舞伎を愛するお客さんがいてはじめて成り立つものなのだなあと思った話”
に関する感想を。

「歌舞伎」という名前がつくだけるので、ここは「現代劇」ではなく、「歌舞伎」でなくてはならないんですよね。
前に「ワンピース」を観たときは、「歌舞伎」ってなんだ、みたいなことを考えたことはなくて、おそらくそんなこと考える隙もないくらい圧巻だった、という理由はあると思うのですが、今回は序幕がちょっと退屈だったのもあり、なんかあまり歌舞伎を観ているという感じがしなかったということもあり、「歌舞伎」ってなんだ?という疑問がふと頭の片隅に浮かんできました。
といっても私はそんなに数多くの歌舞伎を観ているというわけではないので、そんなに語れるほどではないのですが。

歌舞伎らしさ、みたいなものは、衣装の部分であったり、語りの部分であったり、背景の部分であったり、音の部分であったり、細かい部分に多くちりばめられていると思うのですが、一番わかりやすいものといえば、やはり、「見得」であったり、「海老ぞり」「六方」「早替り」とか、片足で回転するやつとか(名前わかりません…)、そうした見せ場かなと思うんです。
そして、そうした見せ場には必ず、お客さんの拍手やら掛け声やらがあって、それで場が引き締まるといいますか、盛り上がるといいますか、次につながると思うんです。
もし、お客さんが全員、歌舞伎を初めて観る方だとしたら、役者さんが見得を切ったところで、シーン、となるかもしれませんし、立回りは速さが無くて迫力ないなあ、と思うかもしれませんし、早替りしても気付かないかもしれませんし。
それだときっと、間が抜けた空気になってしまうと思うんです。
お客さんの拍手や歓声、どよめき、笑い声などがあって、はじめて歌舞伎というものになるのではないかなと、歌舞伎というものは、歌舞伎を愛するお客さんがいてはじめて歌舞伎になるのだなあと、今回のNARUTOを観てそんなことを感じました。

 

形にとらわれることなく、時代によってどんどん変化し、
これは歌舞伎だ、といったらそれが歌舞伎になる。
それが、歌舞伎というものなんでしょうきっと。

だから歌舞伎はおもしろいんだなあ。
改めて、歌舞伎というもののおもしろさを知った日でした。

声を大にして言いたい。

 

\\\歌舞伎は面白いですよー!///