むだなものを愛しつづけられる人間でありたい

たとえば誰かに手紙を書くように、何気ない出来事を綴るとしたら。

「仕事とは、趣味です」

かっこいい、と思った。
涙が、こぼれた。
「憧れる」って、こういう気持ちなんだって思った。

 

こんな気持ちになったのは、
2015年2月16日放送、NHKの番組「プロフェッショナル」を見たとき。
今回のプロフェッショナルは、グランドハイアット東京のコンシェルジュ、阿部佳(あべけい)さん。
コンシェルジュ歴22年の大ベテラン。

コンシェルジュという仕事。
はじめて知った。
日本コンシェルジュ協会:日本コンシェルジュ協会 公式サイト

によると

コンシェルジュは、建物の門番を意味する言葉であったと言われています。19世紀、ヨーロッパのホテルでは、鍵を管理する係に使われるようになり、その後、ホテルにおいてお客様の様々なご要望に応えるスタッフの職名として使用されるようになりました。あらゆるご要望を承るコンシェルジュには、ご要望を心で汲み取るホスピタリティとそれを具現化するための経験に裏打ちされた確かな知識が必要です。

だそう。

「社会的に問題がない限り、どんな要望にも必ず応える。」
それがコンシェルジュらしい。
かっこいい。

「おいしいラーメン屋さんに行きたい」
富士登山に行きたい」
「歌舞伎のチケットをとってほしい」
「おすすめの観光地を教えてほしい」
などといった質問から、
「パスポートを紛失した」
「キャリーバッグの鍵が開かなくなった」
などといった緊急事態まで、
こういった依頼が1日300件ほどあるそう。

 

テレビだからうまく編集しているのだろうけど、
阿部さんと話し終わったあとの外国人はみんな、本当に楽しそうに歩いていく。

相手が語りたくなるような質問をして本当の要望を聞き出したり、最初の要望に応えられなくても、相手が求めていることを感じ取って別のプランを提案したり。
彼女は人の心を読む魔法使い?と思うほど。

「相手に向き合うのではない。一緒に同じ方向を見ること」

これこそまさに、「おもてなし」だと思った。

以前読んだ本
「イギリス人アナリスト日本の国宝を守る/デービット・アトキンソン著」で著者が、「おもてなし」というのは、


客を快適にするために、いかに主人が心遣いをするべきか。相手の好みを察し、相手が求めているものを先回りしてそれを「もてなし」とする感覚。


であると言っていた。

まさに、
相手の「知りたい」「触れたい」「感じたい」日本を察し、相手が求めているものを先回りして提供する。

阿部さんのようなコンシェルジュが増えることで、もっと日本を好きになる外国人が増えると思うし、日本の良さが伝わると思う。

 

「阿部さんにとって仕事とは何ですか?」
という質問に、迷わずにこりと、こう答えていた。

 

「仕事とは、趣味です」

 

かっこいい。