むだなものを愛しつづけられる人間でありたい

たとえば誰かに手紙を書くように、何気ない出来事を綴るとしたら。

秀山祭九月大歌舞伎

最近ハマっているもの、歌舞伎。
といっても、人生3回目。笑

観てきました。秀山祭九月大歌舞伎。

七月はおばさんに1階3列目をとっていただいて見に行きましたが、そんないい席は私は取れないので、今回は私でも取れる3階席で観劇してきました。

昼の部。
演目は、
双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
紅葉狩(もみじがり)
伊勢物語(だてくらべいせものがたり)
の3つ。

 

壱、蝶々曲輪日記

[あらすじ]
舞台は大阪の料亭。
遊女の吾妻と都というふたりの女性には、それぞれ恋い慕う相手がいた。
ところがそのふたりを身請けしようとする侍が現れる。
そこで吾妻と都は、どうしたらよいか女将に相談するのだが…。

※身請けとは…前借の金銭を支払い、稼業を辞めさせ妻や妾にすること

 

二組のカップルの仲睦まじい感じ、たまらなくキュンキュンしました。
吾妻も都も、会いたいけどなかなか会えなかった相手にようやく会えて、
嬉しさが体全体から溢れている感じ。
お互いをつねって、
「あ、いたい」
「どなたさまに?」
「おまえさまに」
なんてかけあい、かわいすぎます。

権九郎という番頭さんがいるんですけど、その人が悪だくみをするんです。
いかにも悪いやつ、というか小心者というか、品がないというか、そういう人間なんだなって思わせるように、身なりや動き、表情によって表現していて、きっとそういうのってお芝居の基本中の基本なんだと思いますが、なんだか改めてすごいなって感じました。
客席に外国の方が二名ほどお見えになっていたようなのですが、言葉はわからなくても、表情とか動きとかでだいたいわかるんだろうなあと思ったら、芝居ってすごいんだなと思いました。

その権九郎、実は都に恋しているのですが、いろいろあって、都が権九郎に自分の小指を切り落とすようにお願いする場面があるんです。
そこのふたりのかけあいがまたおもしろくて。
あなたの気持ちの証に、小指を切ってください、なんて言われたらそれはそれはびっくりしますよね。
それでも、都のためならと思いきる権九郎に、そそくさと台を持ってきてスパンとあっさり切ってしまう都。
この都からの願いは実は与兵衛を助けるためのことで、結局は権九郎は痛い目にあっただけで捕まってしまうのですが、悪だくみをしたのは権九郎とはいえ、ちょっとかわいそうに思えます。
それにしても、恋い慕う相手から言われたことは、なんでもやってしまうのでしょうかね。

最後、与兵衛(都が恋慕う相手)新清水の舞台から、傘を開いて飛び降りる場面で幕引きなのですが、そこの宙乗りが見せ場。
たった2本のワイヤーでつるされているだけなのに、体勢がまったく崩れないんです。腹筋とかぷるぷるしそうです。本当に歌舞伎役者さんの身体能力は高い。素晴らしかったです。

 

弐、紅葉狩
三味線とか長唄とか演奏している連中を引き連れての舞踊の演目。

[あらすじ]
舞台は信濃国戸隠山
紅葉見物にやってきたのは、将軍平維茂
進んでいくと、紅葉狩を楽しんでいる一行に出会う。
その一行は女性ばかりであった。
平維茂は従者に主の名前を尋ねさせるが、お忍びの外出なので明かすことはできないと断られてしまう。
そこで平維茂は邪魔をしないようにとその場を立ち去ろうとするが、そこへ一行の主、更科姫(演:市川染五郎)が現れ、一緒に楽しみましょうと誘う。
ところがこのかわいらしい姫、実は戸隠山の鬼女だったのである。

 

染五郎さん、貫禄がありました。
控えめな姫かと思いきやの、鬼女。
最後松の上に乗ってからの表情、めちゃめちゃ怖かったです。

舞踊の演目は衣装や舞台や全てが豪華。
平維茂と更科姫の衣装ももちろんですが、侍女たちの衣装も色とりどりで縫いが豪華で、その上に舞踊。
テンポがよくて笑いもあって、優雅さもあって。
好きです。

 

参、競伊勢物語
半分以上寝てしまいました。私としたことが。笑
内容はおもしろかったのですが、お昼ご飯を食べた後の睡魔には勝てません。
歌舞伎座のお昼ご飯が楽しみなのに、たくさん食べると眠くなっちゃって演目を見逃すという本末転倒になるから、お昼ご飯食べない方がいいのか。いやでもそうすると楽しみがなくなってしまう…(´・_・`)悩みどころです。
どうしたらいいでしょうか。

[あらすじ]
時は、在原業平の時代。(平安時代)
文徳天皇崩御し、その子である惟仁親王と惟喬親王が帝位を巡って争っている頃。
惟仁親王に仕えている紀有常という人物がいた。
彼には井筒姫という娘がおり、井筒姫には在原業平という許嫁がいる。
だが実は井筒姫は実の子ではなく、絹売りの信夫という娘が実の子であった。
その信夫にも、豆四郎という許嫁がいる。
信夫は、小由という女性に育てられてきた。
実は井筒姫と信夫、在原業平と豆四郎は、そっくりであった。
いろいろあって、信夫と紀有常は再会するが、いろいろあって、紀有常は惟仁親王への忠義のため、井筒姫と在原業平の身代わりとして、実の娘である信夫とその許嫁の豆四郎の首を差し出すことに…。

 

在原業平と井筒姫の装束が豪華絢爛でした。美しかった。
さすが、高貴なお方といった感じ。

手裏剣を投げたら急所に当たって死んでしまうというあっけない感じがなんだか歌舞伎らしいなって思いました。(歌舞伎のかの字も知らないくせに)

信夫と豆四郎の最期の場面、事情を知らずに信夫に祝いの曲でも一曲とリクエストする小由。そんな曲はひけないと別れの曲を奏でる信夫。琴の音色が細々としていて悲しみがひしひしとしみてきました。
忠義のためとはいえ、実の娘の首をはねる父親はもっと苦しいでしょうけど、忠義の方が大事なんですね。

男役の染五郎さん(豆四郎)は優しげな雰囲気で素敵でした。

紅葉狩では姫と鬼女、競伊勢物語では男役と染五郎さんの異なる三役を観ることができて、大満足でした。
それにしても松の上に乗った鬼女の表情は、夢に出てきそうです。あなおそろしや。

 

3階席でもオペラグラス使えば役者さんの表情までよく見えるし、舞台が全体的に見えるし、なんといってもリーズナブルだからオススメです。

10月はONE PEACE歌舞伎、11月は海老蔵さんの息子さんの初お披露目。
猿之助さんのルフィ、どんな風になるのでしょうか。たのしみたのしみ。

 

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